舌下免疫療法

はじめに

舌下免疫療法は、アレルゲン免疫療法(減感作療法)の一つで、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収されることで、体をアレルゲンに慣らし、アレルゲンに対する過敏症を減少させ、症状を和らげる治療法です。
約8割の方に効果があると報告されています。
年齢制限がなくなり、5歳から治療を開始できるようになりました。


舌下免疫療法の特徴

●アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状を抑える可能性のある治療です。症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、薬の使用量を減らすことも期待できます。

●くしゃみ・鼻水・鼻づまりといった鼻炎の症状だけではなく、眼の症状や皮膚のかゆみにも効果があります。3年以上治療を継続された方の3割が根治を得られ、8割の方に効果が実感いただけます。

●舌下免疫療法を受けている方は、免疫過剰な反応が抑えられるため、治療を受けていない方に比べて、今後の別のアレルゲンに感作される確率が低下します。

●治療は長期間必要となり、即効性のある治療ではありません。

●すべての方に効果が期待できるわけではありません。


治療を行える方

●5歳以上のスギ花粉症、または、ダニアレルギーの方
●用法用量を守り、毎日服用可能な方
●1か月に1度の定期的な通院が可能な方


治療を受けられない方

●スギやダニに対するアレルギーが検査で証明できない方
●重篤な気管支喘息を合併している方
●重症の心疾患、肺高血圧症の方
●この薬でショックを起こしたことのある方
●妊娠・授乳婦の方
●ステロイドや免疫抑制剤を使用している方
●βブロッカー、三環系うつ薬、MAO阻害剤を服用中の方
●悪性腫瘍の治療中の方
●免疫不全の方。または治療で免疫抑制剤を使用中の方


副作用

スギ花粉やダニといった物質にアレルギーをお持ちの患者さんにそのエキスを投与することで治療を行いますので、当然のことながらアレルギー反応が起きる可能性があります。
とくに重篤な場合ではアナフィラキシーショックとよばれる救急搬送されるような強いアレルギー反応を生じる可能性が稀にあります。

ごく軽度の副作用も含めて、下記のような報告があります。
●腹部症状(嘔吐、下痢、腹痛など)
●口腔内、口唇のかゆみ、浮腫、感覚の異常
●蕁麻疹
●喘息発作
●その他(耳のかゆみ、のどの炎症や違和感、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、眼のかゆみ、咳など)

 

治療の流れ

●開始時期

スギ花粉症、ダニアレルギーにより治療を開始する時期が異なります。

スギ花粉症     6月~11月の期間のみ治療を開始できます。
ダニアレルギー   いつでも開始できます。


① 診察
舌下免疫療法をご希望の方はまず受診いただきご相談ください。
スギ花粉症・ダニアレルギーの確定が必要になるため、採血でのアレルギー抗体検査を受けていただきます。
5年以内にアレルギー抗体検査を受けたことのある方は、その結果でも対応します。
必ず、検査結果をお持ちください。
② 治療開始(舌下免疫療法の開始)
●治療スケジュール、服用方法、起こりうる副作用の詳細な説明をします。
●初回は、クリニック内で医師の立会いの下、薬剤を舌下していただきます。
30分間クリニック内で待機いただき副作用の確認をします。
問題がなければ、翌日から自宅で舌下を始めていただきます。
治療開始日は、1時間半ほどお時間が必要となります。
午前は、11時まで。午後は、16時までに受診ください。
③ 1週間後の診察
初回から1週間後に再診となります。
副作用の確認を行い問題がなければ維持量での服用となります。
④ 定期的な通院
維持的療法期に入ったら1か月に一度の通院となります。途中で、鼻炎の症状が出てきた場合には同時にアレルギーの内服をしていただく場合もあります。

 

●スギ花粉症での「シダキュア」の服用スケジュール

 

 

 

●ダニアレルギーでの「ミティキュア」の服用スケジュール

 

 


費用について

舌下免疫療法に対する費用は、3割負担の方で、クリニックでの治療費と院外薬局での薬代を合わせて
スギ花粉症は、月に2000円程度、ダニアレルギーは、月に3500円程度となります。

 

よくあるご質問

●始めたらすぐに効果が出ますか?

症状に対する治療ではなく、アレルギーを起こす原因物質に対する免疫反応を低下する治療のため、長い時間をかけて少しずつ効果が出てきます。
まずは3年間舌下免疫療法を行い、効果判定をします。その時点で効果の見られた方は引き続き5年の治療継続をお勧めしています。

●スギとダニ両方にアレルギーがある場合は同時に行えますか?

2020年6月より、同時治療が行えるようになります。但し、スギ花粉の飛散している12月~5月まではスギ舌下免疫療法は行えません。初期から同時に行えるわけではなく一方を開始し、3か月程度して副作用がないことを確認してからの同時治療となります。

●舌下免疫療法を途中でやめてしまいました。もう一度再開できますか?

再開できます。但し、1週間以上の期間があいてしまった場合には最初の量からのスタートとなります。
これは、高用量で舌下免疫を再開すると副作用が出やすいからです。

●舌下免疫療法中に、症状がひどい場合はアレルギーの薬を使えますか?

ステロイドの含まれる内服薬以外であれば、アレルギーの薬の内服や点鼻、点眼は問題ありません。